「日本一のインフルエンサー」を自称し、40万人超のフォロワーを抱える宮崎麗果(本名:黒木麗香・38歳)。彼女が代表を務める広告代理業「Solarie」は、2021年1月期と23~24年1月期において、計約4億9600万円の所得を隠し、法人税と消費税計約1億5700万円を脱税しました。
初公判および5月14日の被告人質問において、黒木被告は起訴事実を全面的に認めています。脱税の理由について、法廷では以下のように釈明しました。
「売り上げが想定以上に上がってしまった。それまでは主婦で税務の知識がなく、納税の認識が甘かった」(公判での被告人質問より)
美容関連会社からの化粧品宣伝依頼により、売上高は2021年の約8800万円から、23年・24年には各5億円超へと急増しました。しかし、16歳からの芸能活動歴や複数企業の経営に関与してきた経歴、そしてSNSでのセルフブランディングと、「無知な主婦」という法廷での主張には明らかな矛盾が存在します。
このギャップが、世間の厳しい批判を集める要因となっています。

この巨額脱税の裏には、黒木被告に脱税手法を指南した「黒幕」が存在します。別の化粧品会社を共同で営んでいた53歳の男です(※現在、法人税法違反ほう助などで公判中)。
検察側の冒頭陳述によると、この男は「絶対にばれない」と黒木被告をそそのかし、架空の業務委託費を計上させて法人所得を圧縮する手口を指南しました。具体的には以下のプロセスです。
- 男の知人の会社を架空の「委託先」に設定する。
- 見返りとして、その知人に1180万円を支払う。
- 知人の会社に対する「委託費」を帳簿上計上する。
しかし、実際には資金移動の痕跡がなく、検察幹部から「隠匿工作としては稚拙なもの」と切り捨てられるずさんな手口でした。
指南役の男や知人の実名報道は現時点で控えられていますが、インフルエンサーを取り巻くビジネスの背後に、こうした悪質なスキームを提供する業者が入り込んでいる実態が浮き彫りになりました。
黒木被告の夫は、元EXILEの黒木啓司氏です。彼は2022年に芸能界を引退し、現在は実業家として活動しています。
配偶者の逮捕および刑事裁判は、夫のビジネスにも甚大な影響を及ぼします。芸能界を引退しているとはいえ、著名人としての信用をベースに事業を展開している以上、「巨額脱税事件の被告の夫」というレッテルは避けられません。
現時点で離婚や事業停止などの公式発表はありませんが、コンプライアンスを重視する企業間取引において、契約見直しやスポンサー離れといった実害が発生するのは火を見るより明らかです。

なぜ「絶対にばれない」はずの稚拙な手口が露見したのか。その背景には、国税当局によるインフルエンサーへの監視体制の大幅な強化があります。
電通の調査によれば、ソーシャルメディアの広告費は2025年に1兆3067億円に達すると予測されています。この市場拡大に伴い、国税庁はSNSでの活動を重要な調査対象に位置付けています。
- サイバー税務調査の常態化:
国税局の専門チームは、インフルエンサーのSNS投稿(高級品の購入、海外旅行、高級マンションの出入りなど)と、実際の確定申告書の数値を徹底的に照合しています。 - 「見栄」が命取りに:
SNS上の「華やかなセレブ生活」のアピールそのものが、国税当局に対して「私には申告以上の資産があります」と宣言しているに等しい行為です。
事実、国税庁のデータによれば、2025年6月までの5年間でネット広告を扱う個人に対して58〜90件の税務調査が実施され、2023年には女性インフルエンサー9人が計約3億円の申告漏れを指摘されています。
「SNSと私生活の境界が曖昧になりやすい」という専門家の指摘通り、見栄とリテラシーの低さが自ら国税局を招き寄せる結果となります。
15日に東京地裁で言い渡される判決に向けて、検察側は以下の求刑を行っています。
- 黒木被告個人: 懲役2年6月
- 法人(Solarie): 罰金5000万円
これに加え、本来納めるべき税金(約1億5700万円)と重加算税などの追徴課税が発生します。支払総額は数億円規模に上りますが、2023年・24年と連続で5億円超の売上を記録していたことから、納付自体は完了している、もしくは可能な資産状況であると推測されます。
今後の展開と実刑の可能性
脱税事件において、初犯であり、かつ追徴課税を含めた修正申告と納付が完了している場合、執行猶予がつくケースが一般的です。弁護側も執行猶予付き判決を求めており、黒木被告が法廷で「二度と同じことをしない」と反省の弁を述べていることからも、実刑(刑務所への収監)は免れる公算が大きいと言えます。
しかし、40万人超のフォロワーを持つインスタグラムアカウントの今後は不透明です。「日本一のインフルエンサー」としての信頼は完全に失墜しており、美容関連企業からのPR案件の再開は絶望的です。アカウントが存続したとしても、マネタイズの手段は事実上絶たれた状態となります。
(参照元:2024年5月15日 東京地裁公判記録および関連報道、国税庁発表「インターネット取引を行っている個人の調査状況」)
ふわふわ
