2026年11月5日、「2026 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表されました。出典: 自由国民社 新語・流行語大賞公式サイト
今年のノミネート一覧を見ると、AI関連用語が5語選出されたほか、「モナキ」や「好きすぎて滅!」といったSNS・エンタメ発の言葉が多数を占めました。
一方で、かつてはノミネートの定番であった「お笑い芸人のギャグ」が一つも選ばれない(ゼロ)という歴史的な転換点を迎えています。
本記事では、意味がわかりにくいSNS発のノミネート語の「元ネタと正しい使い方」を一覧表で整理するとともに、なぜ流行語大賞からお笑い芸人が消えたのか、その3つの理由を過去のデータと比較しながら論理的に解説します。

テレビ番組発の言葉が減少し、今年は特定の界隈やSNSプラットフォーム(TikTok、Xなど)で爆発的に拡散された言葉が目立ちます。
しかし、エンタメの細分化が進んだ現代では、「特定の層には熱狂的に支持されているが、それ以外の世代には全く認知されていない」という情報の分断(デメリット)も起きています。
ここでは、ニュースを見て「どういう意味?」と疑問に持ちやすい代表的なSNS用語を一覧表でまとめました。
【2026年 SNS・エンタメ発ノミネート語の元ネタと使い方】
| ノミネート語 | 元ネタ・発信源 | 意味・ニュアンス | 日常・SNSでの使い方(例文) |
|---|---|---|---|
| 好きすぎて滅! | M!LK(アイドルグループ) | 好きすぎる感情が限界を突破し、もはや自分が滅びそうな状態。 | 「今日のライブのセトリ最高だった。好きすぎて滅!😇」 |
| モナキ | TikTokを中心としたSNSミーム | (※特定の文脈で使われる感嘆や状態を表すSNS上の定型表現) | 「この展開は完全にモナキだわ」 |
| ドパガキ | ネットスラング・SNS動画界隈 | ドーパミンを過剰に求める若年層、またはタイパを極端に重視する行動。 | 「ショート動画しか見られないのはドパガキ化してる証拠」 |
| フレネミー | ネット心理学・人間関係界隈 | Friend(友)とEnemy(敵)の造語。表向きは友人を装うが裏で足を引っ張る人。 | 「あの人、絶対フレネミーだから深い相談は避けた方がいいよ」 |
「好きすぎて滅!」の元ネタ(M!LK)と例文
「好きすぎて滅!」は、5人組ボーカルダンスユニット「M!LK(ミルク)」の楽曲やメンバーの発言から派生し、ファンの間で爆発的に広まったフレーズです。
かつての「尊い」や「推ししか勝たん」がさらに進化した表現であり、「感情のキャパシティを超えて自分が滅亡しそうだ」という極端な愛情表現としてX(旧Twitter)などで多用されています。
特定のファンダムから生まれ、日常のライトな会話にも使いやすいというメリットがある一方、文脈を知らない人には「滅(めつ)」という漢字の強さからネガティブな意味に誤解されやすい点には注意が必要です。
「モナキ」「ドパガキ」などZ世代・SNS用語の意味
オリコンなどの報道でもピックアップされた「モナキ」や「ドパガキ」は、TikTokなどのショート動画文化と密接に結びついています。
特に「ドパガキ」は、数秒で刺激的な展開(ドーパミン分泌)を求める現代のコンテンツ消費スタイルを皮肉った言葉です。「フレネミー」を含め、今年のSNS関連ノミネート語は、現代の人間関係や情報消費の疲れ(ネガティブな側面)をポップな単語で表現しているのが特徴的です。

かつては「なんでだろう~(テツandトモ)」や「ワイルドだろぉ(スギちゃん)」など、お笑い芸人のギャグが流行語大賞を席巻するのが定番でした。
しかし、2026年のノミネートでは芸人発の言葉が完全に「ゼロ」となりました。この現象は今年突然起きたわけではなく、メディア構造の変化による必然的な結果です。その3つの理由を解説します。
理由1. 流行の方程式が「テレビ」から「SNSの反復」へ移行したため
最大の理由は、言葉が流行する「ルート」が完全に切り替わったことです。
- 過去の方程式:
テレビ番組で同じ芸人を「何度も見る」ことで定着。忘年会などの出し物として「みんなが知っている最大公約数」として機能。 - 現在の方程式:
TikTokやYouTubeショートなど、SNSの音源として「短いフレーズが何千回も反復される」ことで定着。
専門家の見解にもある通り、現在は「耳なじみが良くなり、親しみが高まる」プロセスが、テレビの受動的な視聴から、SNSでの能動的なスクロールとアルゴリズムによる反復再生へと移行しています。
理由2. ギャグの「摩耗」とエンタメの細分化
ギャグは本来「笑わせるための言葉」ですが、SNSで何度も消費(反復)されると、本来のお笑いとしての「妙味(面白さ)」が薄れてしまうというジレンマを抱えています。
ダンディ坂野さんの「ゲッツ!」のように瞬時に味が出て薄れにくいフレーズも存在しますが、現在の「広がりと摩耗が同時にハイスピードで進むSNSの仕組み」と、お笑い芸人のギャグは根本的に親和性が高くないと指摘されています。出典: 日テレNEWS NNN 見解 2026/11/5配信
さらに、エンタメが細分化されたことで、「国民全員が知っているギャグ」を生み出す土壌そのものが失われつつあります。
【過去10年】歴代の芸人ノミネート数とSNS用語の推移表
実際にお笑い芸人のギャグがどのようにノミネートから姿を消していったのか、過去の傾向を視覚化しました。
【新語・流行語大賞:お笑い芸人 vs SNS用語 ノミネート数の推移(※傾向概算)】
| 開催年 | お笑い芸人発のノミネート数 | SNS・ネット発のノミネート数 | 時代の特徴・変化 |
|---|---|---|---|
| 2010年代前半 | 4〜6語(大賞獲得多数) | 1〜2語 | テレビの影響力が絶対的。ギャグが忘年会の定番。 |
| 2020年〜2022年 | 1〜2語 | 3〜5語 | コロナ禍でTikTok利用者が急増。流行の起点がSNSへ。 |
| 2024年〜2025年 | 1語(かろうじて維持) | 6語以上 | エンタメの細分化が加速。「界隈」での流行が中心に。 |
| 2026年(今年) | 0語(ゼロ) | 多数(モナキ、ドパガキ等) | 完全にSNS・AI用語へ主戦場が移行。 |
上記の表からも分かる通り、お笑いが衰退したわけではなく、「流行語を生み出すプラットフォーム」がテレビからSNSへ完全に世代交代したことが、芸人枠ゼロの最大の要因と言えます。
お笑い芸人枠の消滅が話題になる一方で、今年のノミネートリストで際立っているのが「AI関連語が5語も選出されたこと」です。出典: スポニチアネックス 2026/11/6配信記事
生成AIの普及が一般層にも完全に浸透したことを示す結果となり、SNS上でも単なる驚きを超えて、日常的なツールとして受け入れられている様子がうかがえます。SNSの声を分析すると、主に以下の3つの論点に注目が集まっています。
- AIが「特別な技術」から「日常の道具」になった実感:
「仕事の効率化で毎日使っているから納得」「もうAIなしの業務は考えられない」など、ビジネスパーソンを中心に実用性を評価する声が多数を占めています。 - 「りくりゅう」などスポーツ用語への温かい反応:
フィギュアスケートの三浦璃来・木原龍一ペアの愛称「りくりゅう」ノミネートに対しては、「エンタメ用語が分からない世代でも、これなら知っている」「スポーツの話題は世代を問わずポジティブになれる」と、全世代共通の話題として歓迎されています。 - 「知らない言葉が多すぎる」という情報分断への戸惑い:
「ノミネートの半分以上が分からない」「自分のいる界隈と世間のズレを感じる」といった声も根強くあります。エンタメの細分化により、「みんなの流行語」を決めること自体の限界を指摘する意見も増えています。
このように、特定の界隈でしか通じない言葉(デメリット)と、AIやスポーツのような社会全体の共通言語(メリット)が混在しているのが、2026年の流行語大賞の特徴です。

記事の最後に、読者が追加で気になりやすい疑問点と、今後の発表スケジュールをQ&A形式でまとめました。
- 2026年の年間大賞はいつ発表される?
- 2026年の「年間大賞」および「トップテン」の発表は、例年通り12月上旬(12月1日または最初の平日)に行われます。
- 発表媒体:
「新語・流行語大賞」公式サイト、および各テレビ局のニュース速報 - 表彰式:
発表日当日に都内ホテルで授賞式が開催され、受賞者が登壇するのが通例です。(今年はM!LKのメンバーなどが登壇するかどうかに注目が集まっています)
大賞発表の瞬間はSNSのトレンドを独占するため、いち早く結果を知りたい方は当日の昼〜夕方のニュース番組やX(旧Twitter)のトレンドをチェックするのがおすすめです。
お笑い芸人のギャグがノミネートされなくなったのはいつから?
突然ゼロになったわけではなく、過去10年をかけて徐々に減少してきました。2010年代前半はスギちゃんの「ワイルドだろぉ」などが大賞を獲るなど猛威を振るっていましたが、2020年のコロナ禍を機にTikTok等のショート動画文化が爆発的に普及。
そこから「流行の発信源」がテレビからSNSへと移行し、2024年〜2025年には芸人枠が1語程度まで激減、そして今年ついにゼロとなりました。
「好きすぎて滅!」って日常会話やLINEでどう使うのが正解?
友人同士のLINEやSNSでの独り言など、「極端にテンションが上がったポジティブな場面」で使用するのが正解です。
- 良い使用例:
「新しいカフェのケーキ美味しすぎた。好きすぎて滅!」「推しの新曲、好きすぎて滅」 - 注意点:
言葉のニュアンスを知らない上司や目上の人に使うと、「滅」という文字の強さから「何か悪いことが起きたのか?」と心配させる(誤解を生む)デメリットがあるため、使用する相手とコミュニティを選ぶ必要があります。

2026年の流行語大賞ノミネートは、「お笑い芸人枠の消滅」と「AI・SNS用語の台頭」という、メディアの主役交代を象徴する結果となりました。
お笑いギャグが減ったことは、決して「お笑い自体の衰退」を意味するものではありません。流行を生み出す場所が「みんなが見るテレビ」から「個々人が熱狂するSNS(スマホ)」へと変化したという、時代に合わせたメディア接触の変遷を如実に表しているに過ぎません。
「モナキ」や「ドパガキ」といった言葉に戸惑う声も多いですが、流行語はいつの時代も「その年の世相を映す鏡」です。12月上旬の年間大賞発表でどの言葉が頂点に立つのか、引き続き注目していきましょう。
ふわふわ 